一言に「コンタクトレンズの調子が悪い」といっても、その原因はさまざまです。
レンズに問題がある場合
レンズの寿命
平均的な寿命は、ハードレンズで2~3年、ソフトレンズで1年~1年半です。しかしこれはあくまでも平均であって、個人差はあります。(以前は平気だったのに)長時間の装用で充血したり、痛くなるようになった場合は、寿命が考えられます。
レンズの破損
ハードレンズは破損していたら装用できませんが、ソフトレンズの場合は装用できます。レンズをつけてすぐに異物感がある場合は、破損の可能性があります。
レンズの汚れ
レンズの汚れによる症状は、「くもり」として現れる場合もありますが、「かゆみ」「目やに」「レンズがずれる」などアレルギー症状となって現れることもあります。
レンズのカーブが合っていない
ハードレンズの場合、「見えにくい」「くもりやすい」「充血しやすい」「ずれやすい」などの症状があります。
ソフトレンズの場合、カーブの種類は少ないためハードほど問題になりませんが、異物感や乾燥感などの症状が、カーブの変更により改善される場合があります。
レンズの種類の選択ミス
色々なケースがありますが、アレルギーの有無やドライアイ、乱視の程度などを考慮されずにレンズを処方された場合、不具合が起こります。
レンズの使い方に問題がある場合
レンズのつけ過ぎ
ソフトレンズは乾燥しやすく、目に張り付き、つけ過ぎ症状が出やすくなります。寿命を過ぎたレンズで起こりやすいですが、使い捨てでも起こります。涙の量により個人差が大きいので、大切なのは、自分が安全につけられる時間を知ることです。
ハードレンズの場合はソフトに比べ格段に起こりにくいものの、寿命を過ぎれば、つけすぎになります。
不十分なケア
レンズの汚れやすさは個人差が大きく、汚れやすい人が「こすり洗い」をしないで使ってしまうと、そのレンズに対してアレルギーを起こしてしまいます。汚れやすい目かどうかは、眼科医が事前にチェックすれば大体分かります。
しかし、コンタクトレンズによるアレルギー性結膜炎は近年激増しています。この原因は、多くのレンズ処方の場において、目の状態のチェックが不十分であるために、不適合なケア用品が選択されたり、説明も不十分であるためです。
目に問題がある場合
(レンズとは関係のない目の病気)
※自分では調子が悪くなくても、異常が見られることもあります。
目に傷がある
痛みや充血がないのに「目に傷がある」と言われた経験がある方は多いと思います。
本当はレンズを中止する必要がないのに、中には1週間も中止させられているのをよく見かけます。症状もないのに中止させられた場合は、別の眼科を受診したほうがよいかもしれません。
角膜に血管が入ってきている
ハードレンズは破損していたら装用できませんが、ソフトレンズの場合は装用できます。レンズをつけてすぐに異物感がある場合は、破損の可能性があります。
角膜内皮細胞の減少
角膜内皮細胞は、角膜を透明に保つために働いています。角膜内皮は手術や外傷で障害されますが、まれにコンタクトレンズの装用でも障害されることがあります。
角膜内皮の障害が高度になると、「水疱性角膜症」という、角膜移植が必要な状態になります。
角膜内皮が軽度に障害されても自覚症状はありません。また角膜内皮の状態は、眼科で普通の検査を受けるだけでは分からず、角膜内皮細胞測定装置によって初めて分かります。
この機械は、コンタクトレンズ装用者の検査には保険適応がされていません。つまり、検査をしてもお金にならないため、メガネ店などはもちろんのこと、レンズ量販店に付随した「眼科」などには機械自体がありません。
当院では、コンタクトレンズ装用者に対し、
無料で角膜内皮細胞の測定を行っております。
特に、
● 眼の手術を受けたことがある人
● 酸素を通さないハードコンタクトレンズを長年使っていた人
などは必ず調べておくべきだと思います。