👁4/30 水曜日、0.025%アトロピン点眼による近視の進行抑制治療についての勉強会レジュメです。
1. 近視とは?
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「近視」とは、近くは見えるけれど、遠くのものがぼやけて見える状態です。
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目が成長とともに伸びすぎることでピントがずれ、近視が進みます。
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一度進んだ近視は自然には元に戻りません。
2. なぜ治療が必要なの?
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強い近視(-6.00D以上)になると、将来的に網膜剥離・緑内障・黄斑障害などのリスクが高まります。
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成長期の子どもは特に近視が進みやすく、進行を抑えることがとても重要です。
3. アトロピン点眼とは?
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アトロピンは昔から使われてきた**目の薬(点眼薬)**です。
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低濃度(0.025%)のアトロピンを毎晩1回、就寝前に点眼することで、目の奥の成長を抑える効果があり、近視の進行を遅らせることが期待できます。
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濃度が低いため、従来の高濃度アトロピンより副作用が少ないのが特長です。
4. どんな効果があるの?
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個人差はありますが、研究では近視の進行をおよそ60%程度抑える効果が確認されています。
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特に近視が始まったばかりのお子さま(6~12歳前後)に効果が出やすいとされています。
5. 副作用は?
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まれに以下のような軽い副作用があります:
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まぶしさ(軽い散瞳による)
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近くが少し見えにくくなる(調節力の低下)
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目のかゆみ・しみる感じ
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通常は軽度で、しばらく続けることで慣れることが多いです。
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副作用が強い場合は中止や濃度変更など対応します。
6. 治療の方法と注意点
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1日1回、就寝前に両目に1滴ずつ点眼します。
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点眼後はなるべく目をこすらず、こぼれた薬剤は拭き取ってください。
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2年以上の継続が効果的とされます。途中でやめると進行が再び速くなることがあります。
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定期的な眼科での経過観察(視力・眼軸長の測定)が必要です。
7. 保護者の方へ
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アトロピン点眼は近視を「治す」ものではなく、「進みにくくする」治療です。
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成長に合わせて、正しい点眼と定期通院を続けることで、将来の眼の健康を守ることにつながります。
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副作用や不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。