先日、大阪中之島の国立国際美術館で、

日本の現代美術を代表する美術家・大阪が地元の森村泰昌:

「自画像の美術史―『私』と『わたし』が出会うとき」展を観る機会に恵まれました。

彼は、男女を問わず古今東西さまざまな名画、報道、記録写真の中に自分が入り込んだ写真を多数展示しています。

フェルメールやベラスケスの名画に入り込んで西洋美術史になった森村。マリリン・モンローやオードリー・ヘプバーンや岩下志麻など女優になった森村。政治と戦争を映し出す報道写真に侵入。ヒトラー、レーニン、アインシュタイン、三島由紀夫……名画や実在する人物になりきった森村のカメラを見据えた目が、見る者の目と交錯します。馴染みの絵や人物に安心して抱いていたイメージが揺らぎ出します。。観る者が感じる違和感や不安を森村の目が見ているという、日ごろ視力、視覚に携わる私も圧倒されてしまいました。私たちの持つ五感のうちで、視覚の占める割合がいかに大きいか再認識させられました。お薦めです。

参考:常識の裏にあるアートの魅力をあぶり出す 森村泰昌

「森村泰昌:自画像の美術史―『私』と『わたし』が出会うとき」展(2016年4月5日~6月19日)

http://www.nmao.go.jp/exhibition/